コメント：まるでモデルハウスのような小奇麗な二階建て、庭には子供の手作りであろう小屋の中で安心しきった表情で眠る犬ーそんな家にいつかは住んでみたい、と幼い頃はよく憧れたものだ。
少なくとも私のように、転勤族といういかにも日本人が得意な「区別」をされたカテゴリーに属す者は、一度はそう願ったものであろう。
社宅のメリットやありがたさ等については、その後社会人になってゆっくりと気づいていくことになる訳なのだが、それはさておき、転勤における引っ越しというイベントにおいて、我々は日本のヒエラルキーにおいて頂点に君臨していると自負している(信じられないくらい何の誇りも抱かないが)。
さて、という確固たる自信のもと、私は先月の引っ越しに際して、初めて赤帽さんにお願いさせて頂くことにした。
今回は東京23区内から西東京へ、私一人の単身引っ越しである。
荷物もそれほど多くないことと、何よりその安さに惹かれての選択であった。
ところで、実は筆者は現在妊婦なのだが、赤帽さんのその安さは、梱包用の段ボール無料配布や、梱包サービスを基本行わないことなどが大きな理由なのである。
そして、単身引っ越しの場合、基本赤帽の作業員は1人だけ。
2人欲しい場合には、車両2台分の料金を払って来てもらうことになる(作業員と車両がセットになっている)。
つわりと闘いながら、梱包については昔取った杵柄とやらでなんとか終えられた。
赤帽のウェブサイトを見ると、「荷物の搬出、搬入については、お客様にお手伝いをお願いする場合がございます」といった内容がかいてある。
エレベーターなしの三階建ての三階に住んでいた私にとってこの部分には若干の不安を覚えたが、実際のところ、私が荷物を抱えて階段を上下することはなかった。
玄関近くまで荷物をまとめて置いていくと、30代後半であろうかという男性作業員の方は、驚くほどの速さで運び出していった。
段ボールの無料配布はないと先ほど書いたが、テレビなどの電化製品などにかぶせる布などは、頼まなくてもかぶせてくれていた。
赤帽さんの料金については、作業時間と移動距離で決まるようなのだが、あっという間に終わり、かつ、引っ越し先まで私も乗せて行ってくれた(荷台ではなく、もちろん助手席ですよ)。
結局、高速代込で料金は16400円だった。
自分でレンタカーを借りて引っ越しをするのとほぼ変わらない値段ということを考えると、かなりお得なのではないだろうか。
荷物の量、大きさによって使用する車両の大きさが変わるので、一概には言えないだろうが、衣服などの荷物が少ない男性の単身引っ越しには、まさに赤帽一択ではないだろうか。
そんなかたちで無事引っ越しを終えた私は、今年の夏に出産予定である。
子供が大きくなってくるころには、恐らく少なくとももう一度、引っ越しを迫られるであろうと予想している。
次回からは、かつての私と同じく、今度はわが子を転勤族として教育することになるのが、私は今から楽しみである。